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花は盛りに、月は隈なきをのみ見るものかは。

 千曲市のあんずの里で催行されている『あんずまつり』。今年の春は早く、またまつりの終盤のせいか、あんずの花はとうにピークを越し、梢に残っている花は3分ほどでした。そのかわりに、水仙、菜の花、はなもも等が満開に近く、この時期独特の季節のうつろいの早さ、一抹の寂しさを感じる旅となりました。
 徒然草で吉田兼好は、『花は盛りに、月は隅なきをのみ見るものかは。』と謳い、満開の庭だけでなく、今にも咲きそうな梢、散って花がしおれてしまっている庭などこそが見どころが多いとしています。

 ところで千曲市観光協会のホームページによると、千曲市のあんずの花は、伊予宇和島藩主・伊達宗利公の息女豊姫が、第三代松代藩主・真田幸道公に輿入れの際に、故郷を懐かしみ持ち込んだ苗が原型との情報。北信地域は、真田家に縁のある場所が随所にあります。またこうした歴史を通してあんずの花を見るのも“いとおかし”です。

150419千曲市菜の花咲く杏の里
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信越観光圏唯一の重要伝統的建造物群保存地区

 昨年(2014年)12月に国から文化財のひとつである重要伝統的建造物群保存地区に選定された千曲市稲荷山を訪れました。信越観光圏はふるさと原風景をひとつの魅力にしているものの、重伝建に選定されていた町並みはこれまでなく、いまのところ稲荷山が唯一となります。
 善光寺道(北国西街道)の宿場町・商家町として栄え、黒い大屋根、白壁を特徴とする大壁造りの町家や土蔵が町並みに残されています。同じ北国街道の重伝建地区:東御市海野宿等に比較すると、歴史的町並みとしての連続性は決して高くありませんが、これは稲荷山地区が古今にわたり商業地として役割を継承しているためと推察されます。
 稲荷山の商売の繁栄の歴史や町並みの変遷、人々の暮らしの変化を紹介する資料館として、蔵し館があります。館内では、お茶のもてなしがあり、ゆったりとした時間をすごすことができます。

150419千曲市稲荷山(1)

 稲荷山の町並みを歩いていると、漆喰がはがれた土蔵等、放置されたような歴史的商家が散見されます。重要伝統的建造物群保存地区に選定され、町並みとしての修景が期待されます。

150419千曲市稲荷山重伝建 (11)

 ゴールデンウィーク前ということもあり、町は静かでした。稲荷山は、JR篠ノ井線稲荷山駅から徒歩20分ほどに位置しています。

150419千曲市稲荷山重伝建 (13)

閑寂とした林道で出会ったスミレの群生

 坂城町の葛尾城は、戦国時代に信濃国東北信一帯を支配し、武田信玄による信濃攻略と対決した村上義清の居城であり、今では奥深い山城として知られています。来年のNHK大河ドラマ『真田丸』放映で戦国時代が注目されるなかで、県内ではこうした歴史にも光があてられるかもしれません。
 と思い立ち、坂城町の山中にでかけました。坂城町の山深くまで分け入った後、山城までの道中は閑寂としており、当時の面影はあまり見られませんでした。いよいよ「城春にして、草木深し」の雰囲気を感じながら進むと、群生するスミレに出会いました。人の目にはあまり触れることはないのだろうけれども可憐に咲く花の魅力に、なんだか無常感がいっそう高まってきました。

坂城町葛尾城跡スミレ

坂城町葛尾城跡林道

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